「公正証書遺言」

 遺言書には、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」「緊急時遺言」「隔絶地遺言」があります。ここでは、公正証書遺言についてご説明致します。

 公正証書遺言とは、公証人が遺言者の口述を筆記して、公正証書の形式で遺言書を作成する方式で、証人が2人必要です。公証人により作成されるため、遺言が無効になる可能性が低く、原本は公証役場で保管されることから、紛失や偽造などのおそれもないこと、検認が不要であるため、すぐに遺産分割手続きを進めることが出来ることがメリットです。
 一方、公証人手数料がかかること、自筆証書遺言のように時間的にすぐに作成することが出来ないことがデメリットです。

 公証人手数料は下記の通り、相続財産が増加すればするほど、手数料も多額になっていきます。また、このほかに証人2人への手数料(1人あたり1万円程度)も必要になります。遺言書の原本が縦書きで4枚を超えるときや、横書きで3枚を超えるときは、超える枚数×250円が追加でかかります。

内容金額
目的の価格が100万円以下5,000円
目的の価格が100万円を超え、200万円以下7,000円
目的の価格が200万円を超え、500万円以下11,000円
目的の価格が500万円を超え、1,000万円以下17,000円
目的の価格が1,000万円を超え、3,000万円以下23,000円
目的の価格が3,000万円を超え、5,000万円以下29,000円
目的の価格が5,000万円を超え、1億円以下43,000円
目的の価格が1億円を超え、3億円以下43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額
目的の価格が3億円を超え、10億円以下95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額
目的の価格が10億円を超える場合249,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額
遺言加算(全体の財産が1億円以下の場合のみ)11,000円
遺言公正証書(正本・謄本)の交付250円/枚

※相続・遺贈を受ける人ごとにその財産の価格を算出して上記の表にあてはめ、それぞれの人ごとの手数料の合算が公証人手数料です。
 例えば、相続財産4,000万円のうち、配偶者2,000万円、子ども2人がそれぞれ1,000万円を相続する場合は、下記のようになります。
 23,000円(配偶者分)+34,000円(子ども2人分)+11,000円(遺言加算)=68,000円

 以上のように、費用は掛かってしまいますが、きっちり遺言書を遺しておきたい方は、公正証書遺言の作成をオススメします。なお、公正証書遺言を作成する場合は、公証人とのやり取りや証人の準備も必要ですので、専門家に相談するほうが良いでしょう。
 なお、証人は誰でもなれるわけではないことに注意しましょう。「証人になることが出来ない人」をご参照ください。

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