お悩み:借入金の内容が分からない

 融資の申込を終え、審査の結果、融資が下りることになりました。
 いざ契約の段階になり、気分が最高潮になることもあるでしょう。そして、契約内容を聞き漏らしたり、忘れてしまったりすることもよくあります。

 多くの場合、短期借入は手形貸付、長期借入は証書貸付に区分されます。前者は約束手形を発行し、後者は金銭消費貸借契約書に署名捺印します。
 約束手形、金銭消費貸借契約書ともに現物は金融機関に保管され、借入人(債務者)にはコピーや返済予定表が交付されます。

 借入金の内容は、契約書のコピーや返済予定表などに記載されています。これらを見ていない人も多いですが、借入内容や返済予定などを把握しておかなければ、事業の資金繰りに影響を与えることがあります。


 借入金の内容で基本的な用語を確認しておきましょう。

返済方法

 返済方法には、主に期日一括返済、元金均等返済、元利均等返済があります。
 このほか、返済額が返済途中から増える逓増返済や、返済途中から減る逓減返済もあります。

期日一括返済

 期日一括返済は、返済期日に一括で返済する方法です。多くの場合は、毎月利息のみを支払うことになります。

元金均等返済

 元金均等返済は、毎月元金と利息を返済する方法です。名前の通り、毎月返済する元金は同額です。
 利息は残元金に対してかかりますので、返済開始月は高くなりますが、返済が進むにつれて利息が減っていきます。よって、元金と利息の合算でみると、返済開始時が一番返済額が多く、返済が進むと徐々に返済額が減ります。
 なお、完済までのトータルの元金・利息返済額は、元利均等返済よりも少なくなります。
 トータルの返済額が少なくて済むメリットがありますが、毎月の元利金返済額が一定ではなく、返済開始からしばらくはある程度の手元資金が必要です。

元利均等返済

 元金均等返済は、毎月元金と利息を返済する方法で、元金と利息の合算額が毎月一定になります。
 元利金返済額のうち、最初は利息のウエイトが高く、なかなか借入残高が減らないように見えますが、返済が進むにつれ元金のウエイトが高くなります。
 毎月の返済額が一定であるため、資金繰りを考えやすいというメリットがありますが、元金均等返済よりもトータルでの返済額が多くなってしまいます。

金利

 金利は、固定金利と変動金利があります。
 住宅ローンを借りるときは選択することが出来ますが、金融機関から長期の事業資金を借入するときは変動金利が条件になることが一般的です。

固定金利

 固定金利は、借入から完済まで金利が固定されるものです。
 あくまで借入時に基準となる固定金利が完済まで適用されますので、もし日本の政策で低金利となった場合でも、比較的高い利息を支払い続けなければなりません。逆に、高金利政策となった場合でも、当初の金利で支払うことになります。

変動金利

 変動金利は、借入から完済まで金利が変動する可能性があるものです。
 変動金利となる場合は、基準金利というものがあります。基準金利からスプレッド(利率幅)が加算され、変動金利が決まります。
 例えば、基準金利1.5%、スプレッド1.35%なら、変動金利2.85%となります。
 もし、基準金利が2.5%になれば、基準金利2.5%+スプレッド1.35%で3.85%となります。

まとめ

 返済方法や金利は、借入をする金融機関によって異なります。
 借入金の内容が分かっていない、もしくは忘れてしまったという経営者に何人も出会ってきましたが、多くの人は資金繰りが安定していませんでした。
 経営者として、毎月の大体の出費を把握することは必要なスキルであり、もし今、どこかから借入をしているのでしたら、一度確認してみることをお勧めします。必要があれば、金融機関に返済予定表の再交付をお願いしてみるのも良いでしょう。

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