補助金について
補助金とは?
補助金は、国や都道府県・市区町村などが事業者の事業を後押しする目的で、支出する費用の一部を補助するものです。
ただ、どのような事業でも補助金が貰えるというものではありませんし、補助対象事業も決まっています。また、補助金を受けるためには複数の条件が設定されていることが多いです。
補助対象事業は、補助金の種類にもよりますが、例えばものづくり補助金では、革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等、と決められています。なお、基本的にパソコンやプリンターなどの汎用的な設備は対象外になっています。
条件は、例えば業種によって従業員数が〇人以下であるとか、事業所内の従業員の賃金を上げるとか、様々なものがあります。
補助金・助成金・給付金の違いは?
補助金 | 助成金 | 給付金 | |
---|---|---|---|
所管 | 国 (経済産業省・国土交通省・農林水産省など) 都道府県 市町村など | 国(主に厚生労働省) | 国 (経済産業省・厚生労働省など) |
財源 | 税金 | 雇用保険 | 税金など |
採択 | 審査があり、比較的厳しめ | 要件を満たせば、概ね受給 | 要件を満たせば、概ね受給 |
例 | 小規模事業者持続化補助金 IT導入補助金など | 雇用調整助成金 業務改善助成金など | 持続化給付金 休業支援金など |
補助金・助成金・給付金の大まかな違いは上記の通りです。
このうち、行政書士は主に補助金申請に携わることが出来ます。いっぽう、厚生労働省管轄の助成金は、社会保険労務士しか携わることが出来ません。
なお、給付金は常時あるものではなく、新型コロナウイルス感染症などの突発的な出来事が発生したときに給付されています。
補助金の財源は税金ですので、予算は限られていますし、事業者の事業の中でも効果の薄いと考えられるものは採択されません。よって、要件を満たせばほぼ受給できる助成金や給付金とは違い、他の希望者よりも優れていると審査(判断)されるように申請しなければなりません。
補助金の探し方は?
現在、国としてデジタル化を進めており、補助金申請もデジタル化しています。
補助金の探し方としては、jGrantzを利用するのが良いと思います。民間企業が運営している補助金一覧のサイトもありますが、募集期間が経過していたりするため、注意しなければいけません。
jGrantzは、国の補助金サイトであり、ここから補助金申請を行うことも出来ます。
ここでは、業種や目的で絞り込んで検索することも出来るので、便利だと思います。
しかし、GビズIDが必要になります。GビズIDは事業者を対象とした認証システムであり、補助金申請のほか、社会保険手続きなどにも活用することが出来ます。
補助金の注意点
受給できると資金面で非常に心強い補助金ですが、下記のような注意点もあります。
①補助金は後払い
補助金は基本的に後払いです。先行して補助対象事業の支払は全額、自己資金か借入をして支払わなければなりません。所管が支払ったことを確認してから、補助金の入金があります。
②虚偽記載は許されない
補助金を受給するために虚偽の事実を記載しようとする方もいるでしょう。しかし、請求書や領収書などの資料を提出しなければなりませんし、虚偽記載で補助金を受給すると、補助金返還を求められたりします。そもそも、不正受給は犯罪です。
③補助金を受けて終わりではない
基本的に、補助金を受けて終わりではなく、定期的に報告が必要になります。所管として、補助金がどのように使用され、その結果どうなったのか(売上利益・商流など)を確認しなければなりません。
④悪質なサポーターに注意
補助金申請は非常に手間も時間もかかるものですので、行政書士などの専門家などに依頼することがあります。
しかし、中には悪質なサポーターが存在するのも事実です。高額な報酬をとるサポーターや、着手金だけ取って申請すらしないサポーターもいますので、注意が必要です。
⑤事業計画は事業者が把握していなければならない
補助金申請を行政書士などの専門家に依頼することは悪いことではありません。しかし、補助金申請のために作成した事業計画は、事業者が把握しておかなければなりません。
私は、事業者様とともに事業計画を作成するように心がけておりますが、中には事業計画を全て専門家が作っているケースも見受けられます。
補助金を受給することが目標ではなく、補助金を基にした事業計画を遂行することを目標としなければなりません。
⑥補助金を受けると、支払うべき税金が増える場合がある
補助金を受給すると、基本的に損益計算書の営業外収入か特別利益に計上されることになります。つまり、利益(所得)があがることになりますので、支払うべき税金が増える可能性があります。
まとめ
・補助金は簡単に受給できるものではありません。
・補助金申請を行政書士などの専門家に任せることも良いでしょう。
・補助金を受給することにより、事後報告の手間や税金がかかる可能性があります。