遺言書を作成しようか迷っている方へ
「遺言書を作ろうかなぁ。でも作り方が分からないしなぁ。」と思う方がいらっしゃいます。確かに、迷う気持ちもよく分かります。面倒くさいし手間もかかりそうだし難しそうだし、なかなか前向きになれないでしょう。
しかも、遺言書は自由に書いていいものではなく、要件を満たさなければ、遺言書は無効となり得ます。
しかし、遺言書を作成しようかと迷っている方には、迷われたきっかけがあるはずです。
例えば、テレビや新聞の相続問題を見て不安になった、友達が相続トラブルに巻き込まれた、推定相続人に恩返しがしたい、逆に推定相続人に酷い仕打ちをされた・・・などがあるでしょう。
遺言書を作成する理由は一人ひとり違います。何のために遺言書を作成するのかを、今一度考えてみましょう。はっきりした理由と強い意志があるのでしたら、遺言書を作成して後悔することはないと思います。
遺言書を作成しようか迷っている方は、いきなり遺言書を作成するよりは、まずは家系図と財産一覧を作成してみてはどうでしょうか?
家系図を見ると、自分が亡くなったときの法定相続人が分かります。法定相続人以外に財産を渡したい人はいませんか?
財産一覧を見ると、相続財産がどれくらいになるかが分かります(もちろん、今後の生活費などは差し引く必要があります)。法定相続人に法定相続分で相続されることになって問題はありませんか?相続人の間で諍いはありませんか?換価しづらい家や自動車はどうしますか?
相続財産の分割は、被相続人(亡くなった人)がいないときに行われますので、もし相続について希望があるのでしたら、遺言書の作成が必須です。
遺言書を作成しても、必ずその通りになるとは限りません(相続人全員の同意があれば、遺言書の通りではなく、遺産分割協議の通りに相続することが出来ます)。
ですが、遺言書があれば、相続人に希望や遺訓を伝えることも出来ますし、相続問題が発生する可能性を低減することが出来ます。
遺言書を作成しようか迷うことは、将来のことを考えているということですので、大変素晴らしいことだと思います。
それでも結論が出ないことは良くあるでしょう。そういったときは、行政書士を含む専門家に相談してみるのが良いでしょう。第三者の目線や考え方を知ることにより、よりしっかりした判断が出来ると思います。