会社の定款って?
定款とは、会社の規則のようなもので、会社設立の際には一番最初に作成します。定款には、絶対的記載事項・相対的記載事項・任意的記載事項があります。なお、絶対的記載事項のうち、どれかが欠けていると定款は無効になります。
絶対的記載事項
(どのような会社も記載しなければならない事項)
・商号(会社名)
・目的(会社の事業内容)
・本店の所在地(住所)
・設立に際して出資される財産の価格またはその最低額(資本金など)
・発起人(会社設立する人)の氏名・名称および住所
・発行可能株式総数
定款で定められた通りの商号(会社名)や目的(会社の事業内容)などが登記されることになります。
商号(会社名)をつける際にはルールがありますので、「会社の商号を決めるときのルールって?」をご参照ください。
目的(会社の事業内容)は、今後行っていきたい事業を考えます。許認可を取得しなければならない業種の場合、この目的があるかどうかが要件となっている場合がありますので、例えば不動産業を行いたい場合は、事業目的に「不動産の売買、賃貸及び管理並びにそれらの仲介及び斡旋」のように登記しなければなりません。なお、目的の最後は「前各号に附帯又は関連する一切の事業」と登記することにより、事業内容に幅を持たせることが出来ます。
本店の所在地(住所)は、最小の行政区画である市町村(東京都の場合は区)までを定款に記載すれば足ります。例えば、「奈良県奈良市」「大阪府大阪市」「東京都中央区」のようにすれば問題ありません。定款に最小の行政区画までしか記載しない場合、その行政区画内で転居したときに、定款変更をする必要がないというメリットがあります。なお、住居表示と同じく、番地まできっちり記載することも出来ます。ただし、登記は番地やビル名・部屋番号までなど細かく登記することになります。
相対的記載事項
(決めなくても問題ないが、決めれば定款に記載しなければならない事項)
(例)
・株式の譲渡制限(株式譲渡の際、会社の承認を必要とすること)
・株券の発行(原則として株券は不発行ですが、定款に定めることにより発行することも出来ます)
・公告の方法(定めがなければ官報にて公告することになりますが、新聞や電子公告と定めることも出来ます)
例えば、数名の発起人で株式会社を設立した場合、発起人はそれぞれ所有する株式を第三者に売買することが出来ます。そうすると、得体の知らない人間が株主になる可能性もありますし、議決権51%以上を獲得することもあり得ます。それを防ぐ為に、株式の譲渡制限を設ける場合もあります。
また、公告の方法は基本的に官報にて行うことが会社法上で定められています。しかし、官報で公告すると費用がかかりますので、電子公告にしたい、という場合は、公告の方法を定款に記載することになります。大きな声で言えませんが、公告することは義務ではありますが、実際に公告している法人は多くはありません(上場企業は当然に広告しなければなりませんが…)。
任意的記載事項
(決めなくても問題ないが、記載すれば会社のルールとなる事項)
(例)
・事業年度(決算月を何月にするかを定めます。また、事業年度は1年を超えることが出来ません)
・役員の人数
・定時株主総会の招集時期
事業年度は定款に記載していることが多いです。記載していない場合は、何月決算にするか明確に出来ませんし、記載することで大きなデメリットはないかと思います。ただし、決算期変更する場合は定款の変更が必要になります。
上記のように、定款を作成するためには色々なことを考え、決めていかなければなりません。
また、定款は紙定款でも電子定款でも作成することが出来ますが、紙定款の場合は印紙代40,000円がかかります。電子定款の場合は印紙代40,000円は不要ですが、PDFファイルに転換し、電子署名を付与する必要があり、なかなか手間がかかってしまいます。
定款作成は時間や労力、場合によってはソフトウェアなどの購入も必要となりますので、行政書士などの専門家に依頼することをオススメします。
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