相続土地国庫帰属制度って?

 相続土地国庫帰属制度とは、名前のとおり相続にて取得した土地を国庫に帰属させる制度で、令和5年4月から開始しています。しかし、この制度を利用できる土地は要件があり、どのような土地も国庫に帰属させることが出来るわけではありません。また、負担金も必要となります。

〇相続土地国庫帰属制度を利用できる土地の要件
 ・自身が相続や遺贈により取得した土地であること。
 ・下記にあてはまらないこと(申請することが出来ない土地)
 ・建物が存在する土地
 ・担保権や使用・収益を目的とする権利が設定されている土地
 ・通路その他の他人による使用が予定されている土地
  (通路・用悪水路・水道用地・ため池として使用されている土地、境内地、墓地内の土地)
 ・特定有害物質により汚染されている土地
 ・境界が明らかでない土地
 ・所有権の存否、帰属、範囲について争いのある土地
 ・下記にあてはまらないこと(申請をしても不承認とされる土地)
 ・崖があり、管理に過分の費用または労力を要する土地
 ・土地の管理や処分を阻害する工作物、車両、樹木などの有体物が地上にある土地
 ・土地の管理や処分のために除去しなくてはならない有体物が地下にある土地
 ・隣接する土地の所有者と争訟によらなければ管理や処分が出来ない土地
 ・通常の管理や処分をするために過分な費用や労力を要する土地

〇相続土地国庫帰属制度に必要な手数料
 ・審査手数料
  (1筆あたり14,000円)
 ・負担金

 

宅地
(市街化区域内・用途地域が指定されている場合)
※上記以外の宅地は面積に関わらず200,000円となります。
50㎡以下 国庫帰属土地面積に4,070円/㎡を乗じ、208,000円を加算した金額
50㎡超
100㎡以下
国庫帰属土地面積に2,720円/㎡を乗じ、276,000円を加算した金額
100㎡超
200㎡以下
国庫帰属土地面積に2,450円/㎡を乗じ、303,000円を加算した金額
200㎡超
400㎡以下
国庫帰属土地面積に2,250円/㎡を乗じ、343,000円を加算した金額
400㎡超
800㎡以下
国庫帰属土地面積に2,110円/㎡を乗じ、399,000円を加算した金額
800㎡超 国庫帰属土地面積に2,010円/㎡を乗じ、479,000円を加算した金額

 

 

農用地
(市街化区域内・用途地域が指定されている場合、農業振興地域の整備に関する法律の農用地区内の場合、土地改良事業等の施工区域内の場合)
※上記以外の農用地は面積に関わらず200,000円となります。
250㎡以下 国庫帰属土地面積に1,210円/㎡を乗じ、208,000円を加算した金額
250㎡超
500㎡以下
国庫帰属土地面積に850円/㎡を乗じ、298,000円を加算した金額
500㎡超
1,000㎡以下
国庫帰属土地面積に810円/㎡を乗じ、318,000円を加算した金額
1,000㎡超
2,000㎡以下
国庫帰属土地面積に740円/㎡を乗じ、388,000円を加算した金額
2,000㎡超
4,000㎡以下
国庫帰属土地面積に650円/㎡を乗じ、568,000円を加算した金額
4,000㎡超 国庫帰属土地面積に640円/㎡を乗じ、608,000円を加算した金額

 

森林
750㎡以下 国庫帰属土地面積に59円/㎡を乗じ、210,000円を加算した金額
750㎡超
1,500㎡以下
国庫帰属土地面積に24円/㎡を乗じ、237,000円を加算した金額
1,500㎡超
3,000㎡以下
国庫帰属土地面積に17円/㎡を乗じ、248,000円を加算した金額
3,000㎡超
6,000㎡以下
国庫帰属土地面積に12円/㎡を乗じ、263,000円を加算した金額
6,000㎡超
12,000㎡以下
国庫帰属土地面積に8円/㎡を乗じ、287,000円を加算した金額
12,000㎡超 国庫帰属土地面積に6円/㎡を乗じ、311,000円を加算した金額


 上記のとおり、国庫に帰属できる土地の要件は厳しく、さらに負担金まで必要になるため、多くの方が利用できる制度とはなっていません。
 もし上記の条件に満たしていない土地や建物を相続し、不要であると考えているのでしたら、不動産業者に相談してみてもいいかもしれません。

 法務省の相続土地国庫帰属制度のページはコチラです。

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